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相続した不動産、どうする?~不動産を有効に活用する方法(2)~

前回のコラムで、代表的な有効活用手法について、いくつかご紹介しました。

今回は、より細分化した活用方法をご紹介します。

土地の特性や有効活用事業の目的、事業規模などに応じて、様々な種類の活用方法があります。どれか一つを選択してもいいですし、いくつかの活用方法を複合的に組み合わせて運営していく方法もあります。相続後の不動産有効活用に、相続対策としての視点を織り交ぜながら解説します。

ぜひ、ご覧ください。

1.土地活用で注意すべき点

(1)なぜ土地活用をするのかを明確にする

土地活用(土地の有効活用)を検討するうえで、一番に考えること。
それは、「なぜ土地活用をするのか」という目的を明確にすることです。 
ただ単に、空地や空き家を有効活用するというパターンに加えて、相続対策や節税対策をしたい、という目的の有効活用もあります。
もちろん、相続対策や節税のために行う有効活用は重要な要素ですが、それ以上にその土地(資産)を活用(運用)することで、相続人世代、その子世代、孫世代へ資産を継承していくということになります。その規模や活用手法について、十分に検討していく必要があります。

「土地という形は残したい、でも放置もしたくない、収益を生んでもらって将来は自分で使いたい。」

それであれば建物を建てない活用か、定期借地という選択肢があります。
思入れのある土地だからこそ、意図しない用途に使われたくない、綺麗な街並みを形成してほしい。そうであれば借地権付分譲住宅や街並みづくりが得意な分譲会社への土地売却という選択肢も・・・。

相続対策だけではない「思い」が必要です。
その「思い」に添う、実現することこそが最大の有効活用だと考えます。

 

(2)土地活用の種類

いくつもある土地活用方法ですが、実のところ、収益の最大化や、節税効果の最大化だけを考えようとすると、相反してしまうところがあります。
活用を実行して、次の相続まで長い時間があれば、そこにまた現金が生まれるからです。また、その土地その土地で最も収益力のある活用方法というのは法令の制限などもあり、かなり絞られてきます。
土地活用方法にはどんなものがあるのか、次節で解説します。

 

2.土地活用の選択肢

(1)主に住宅地の土地活用

  ①アパート

コストと収益のバランスが良い最も典型的な活用方法です。
アパートとは、一般的に木造か軽量鉄骨造の共同住宅を指します。
建築費がマンションほど高くありません。賃料が低いものの借り手の需要も多いため、都市部はもちろん、地方でも需要があります。
法定耐用年数が木造22年、軽量鉄骨造19年又は27年と短く、建物価値が早く下がるということは相続税評価も下がります。減価償却割合も高いため、毎年の経費計上が大きく、節税となります。
デメリットは、古くなるのが早く、メンテナンスの頻度も高い点です。都市部では防火性能を高めるため、意外と建築費が高くなる場合もあります。

 

  ②マンション

アパートが木造等であるのに対し、マンションは重量鉄骨造か鉄筋コンクリート造(以下「RC造」)の共同住宅を指します。マンションはアパートよりも入居希望者の人気が高く、賃料も高く設定できます。
RC造は木造よりも耐用年数が長く、減価償却期間が47年となるため、木造よりも長期経営に向いています。木造と異なり建物が古くても収益が確保されていれば市場で売却しやすいという出口戦略にも効果的です。
また、耐用年数が長いということは融資を受けやすく、資金調達にもメリットとなります。デメリットは、建築コストが高いこと。一度建築すると、解体にも多額の費用が掛かるため、別用途への変更が困難となります、見込める収益を精査するなど、アパートより慎重な検討が必要です。

 

  ③戸建賃貸

戸建を建築し賃貸する、という考え方はここ10年ほどでポピュラーになってきました。戸建は共同住宅に比べて土地を最大利用する観点でデメリットがあるため、収益のパフォーマンスがやや劣ります。
ですが、広さや上下左右の隣室に気兼ねしなくてよい戸建の人気が徐々に高まった上、コロナ禍で更に郊外の戸建を賃貸する、という流れも生まれました。
また、木造戸建の品質が向上したことも理由の一つかもしれません。
相続対策という意味では、戸建賃貸は複数の相続人に1軒ずつ分けることができるというメリットが脚光を浴びています。
共同住宅は共有するしかないですが、戸建は物理的に分けることができるため、争族(相続人どうしが相続をめぐって争うこと)対策にもなります。

 

  ④ガレージハウス

ガレージハウスは1階に大型ガレージを備え、2階に1人または2人など少人数の住居が組み合わさった建物です。
もっとも大きなメリットは賃料を高く設定できるということです。「付加価値」にお金を惜しまないという時代であるため、例えば駐車場料金が高い地域や車利用率の高い地域などでは、高い賃料での入居が見込めるでしょう。
一方、デメリットもあります。例えば似ている活用方法である戸建賃貸との比較で言うと、コストメリットを出すために連棟長屋の形状で建築され、相続が起こると共有するか、誰かが丸々取得することになり、争族対策には有効とは言えないことです。また、付加価値は確実にありますが、空室リスクとも背中合わせとなります。通常の住宅に比べてより精緻なマーケティングが求められるでしょう。賃料が高めの設定であることがメリットでもあり、デメリットにもなり得ます。

 

  ⑤シェアハウス

シェアハウスはここ10年程度で出てきた活用方法です。ドラマなどで注目を集めたために人気が出ました。
木造や軽量鉄骨造で建築されることが多く、都心部などでは一定の需要が見込めます。
ただし、大学が近い、駅が近いなどの立地条件が良くないと入居率が想定ほど見込めない可能性があります。
昔の下宿といったイメージで大家として入居者と関わる形を想定しているのであれば、大家業として楽しさがあるかもしれません。

 

  ⑥賃貸併用住宅

こちらもシェアハウスと近いメリット・デメリットがありますが、大家である自分と同じ建物内を一部賃貸住宅とすることで管理を自らおこない管理費を収益化できる、住宅ローンを利用した建築も可能となるなど資金的なメリットがあります。
また、仮に空室が起きても、管理しやすく、自ら使うことも可能でしょう。
デメリットは、入居者がちょっと問題のある方だと自らに直接トラブルが降りかかってくる可能性があります。入居者と関わりたくない方には合わないでしょう。

 

  ⑦医療施設

非常に人気の高い土地活用方法です。ただし、他の活用方法よりも立地が限定されます。比較的乗降客の多い駅に近いことがベストですが、最低限、人流があるところでなければ成立しません。
総合病院ではなく、内科、小児科、耳鼻科、歯科、眼科などと相性が良く、また付随して薬局も誘致できます。
更にはマッサージ、整体院なども相性がよいでしょう。
土地の立地が良ければ、第一に検討したい選択肢です。

 

  ⑧保育園

働く世代が集まる立地や、交通の便が良い立地であれば(認可)保育園を建設して運営する活用方法も選択肢です。
保育園で土地活用をおこなうには、3つのパターンがあります。保育園の建物を建設し、自ら運営する方式、保育園運営事業者に建物を貸し出すリース方式、単に保育園運営事業者に土地を貸す事業用定期借地方式です。
自ら運営しようとする方はあまりいらっしゃらないと思いますので、次に収益性が見込めるものはリース方式となります。
メリットは建物建設補助金が出る、行政から支払われる運営費が賃料になる、建物が古くなっても基本的に賃料は変わらない点などがあります。利回りが高くなることで、安定的な収益が見込めます。
ただし、この活用方法はそもそも行政が募集している地域、立地でなければ選択できません。勝手に建設しては補助金も出なければ認可もされないからです。
また、認可などに時間がかかる点、事業者が撤退後に建物が転用しにくい点もデメリットとなります。


  ⑨デイサービス施設

デイサービス施設も保育園と同じ3パターンの活用方式です。
少子高齢化が止まらない日本にあっては、保育園よりもこれからの需要が高いのではないでしょうか。
介護福祉関係の土地活用の中では、土地がそれほど広くなくても検討可能な活用方法であることは大きなメリットです。また、老人ホームやサービス付高齢者住宅と異なり、日帰り施設なので、建物がそこまで大がかりになりません。
さらに介護施設全般に言えますが、他の活用方法に比べて建築制限がかかる立地が少ないため、ほとんどの土地で検討が可能です。
デメリットとして、利回りがそれほど高くはありません。土地貸しは最も収益が低いですが、建物を貸付け、運営を委託する場合、高い利回りが望めません。介護事業者が仮に退去してしまった場合、新たな借り手の探索が難しいこともデメリットです。

 

いかがでしょうか。住宅地だけでもこれだけの活用方法があるため、どれを選択すれば良いか判断が難しいと思います。土地の広さや形状、道路付け、立地、周辺環境などによって大きく左右されますので、もしご自身で判断がつかない場合には当社までご相談ください。
最適な活用方法をご提案させて頂きます。

 


(2)商業地または限定立地

  ①商業ビル

商業地に不動産を所有しているのであれば、より収益性を高めるために商業用途の活用方法も検討すべきでしょう。
もっともポピュラーなのは、オフィス型や店舗型の商業ビルを建築し、テナントを誘致する方法です。
立地がモノを言う商業地は高く安定した収益が確保できます。先に挙げた医療モールをビル内に取り込むことも良いでしょう。
初期投資額は最も多額になる部類の活用方法ですが、立地が良いため担保価値も高く、融資も受けやすいでしょう。

 

  ②ロードサイド店舗

交通量の多い国道や主要幹線道路のロードサイド店舗として活用する方法は、もっとも利回りが高いと考えられています。利益を上げやすい大型店のほか、土地がコンパクトであればコンビエンスストアもあります。店舗は賃料が高めであり、高い収益性を見込めます。
一方、退去リスクも比較的高めです。フランチャイズ店や複数店舗がある企業などは店舗統合などで撤退することもあります。また、他の事業者が流用しやすい建物にしておくことも選択肢のひとつです。



  ③コインランドリー

近年、不動産投資業界で注目され始めている活用方法です。単身世帯や共働き世帯の増加、時短、乾燥機人気といった複合的な理由からコインランドリーの利用者も増加していると考えられます。
ロードサイド店舗や大型店舗の駐車場に併設する形での出店を見かけたことがあるのではないでしょうか。
コインランドリーとしての活用は、今までの挙げてきた活用方法と異なり、自ら経営者となります。基本的に、自ら行うことは清掃等で、多額の人件費はかかりません。
リピーターが付くと経営しやすいというメリットがあります。
デメリットとして、リピーターを多く獲得するためには入りやすい利用しやすい立地がとても大事なうえ、基本的に住居専用地域では設置できません。
ロードサイド店舗で活用する立地と住宅街との中間地などであれば検討は可能です。
一番の懸念点は、収益が安定しないことです。
決まった賃料収納があるわけではないので、季節、天候などに売り上げが左右されます。初期投資は、土地保有者でも2~3,000万円ほど必要になると考えられます。
よって、借り入れなど起こしておこなう事業ではなく、現金に余裕がある方が設備投資に対する税制優遇を受けたいケースや、相続税評価額を下げたいケースなどに適しています。

 

  ④トランクルーム

トランクルームもコインランドリー同様に注目を集めている土地活用方法です。
駐車場利用よりも高い収益を得たい、という場合に、立地によってはトランクルームが選択肢となるでしょう。
ただし、節税効果はアパートやマンション建築同様、減価償却くらいで大きなメリットはありません。それでも、駐車場と比較すると有効な選択肢かもしれません。駐車場はほぼ何も経費計上するものがないためです。

 

  ⑤太陽光発電施設

太陽光発電を設置して経営する活用方法です。しかし、市街地より離れた場所や山林、雑種地などでない限り、選択することは無いでしょう。固定買取価格が年々減ってきており、収益性の面で魅力が薄れています。
土地持ちが検討するのではなく、現金を持っている方が、過去の高めの買取価格が決定している物件を買うという方向性が妥当でしょう。
現金から土地に資産が変わることで、相続税対策にもなります。
また、他に活用方法が無い日当たりのよい広大な土地があるといった場合には、ひとつの選択肢となりえます。



(3)需要の高い立地

  ①等価交換

土地所有者が、土地を建物建設業者に提供し建物を建築してもらった上で、土地の権利の一部を建物の権利の一部と交換する活用方法です。
不動産コンサルティングにおける提案の中では、専門的な手法となります。
他の活用方法ともっとも違うことは、土地の権利を一部失うということです。
よって、土地を守っていきたい場合には適しません。
ただし、建物権利を取得し、マンションであれば区分登記された部屋を複数戸取得することができます。相続における節税効果や分割対策、自用も賃貸も可能という点ではとても効果的な資産の運用、組み換えの一つです。

 

  ②定期借地

とにかく土地を守りたいが自分では経営したくない、高い収益は望まない、という方には、定期借地という選択肢もあります。必ず土地が返ってくることはメリットですが、事業用で10年、建物譲渡(買取)特約付きで30年、住宅用で50年と、長期間自ら使用することができなくなります。
事業用借地の地代はそれなりですが、住宅用はかなり低く抑えられるため、収益活用としてはあまりお勧めできません。




(4)一時利用

一時利用とは、建物や施設を設置しない使用方法です。具体的には、時間貸し駐車場、月極駐車場、洗車場などがあります。
収益性は高くありませんがすぐに活用方法を変更できるので、暫定的に駐車場として活用しているケースがよくあります。また土地の評価があまり高くないところでは融資も受けづらいため、建物建築してまで収益が見込めないなどの理由から駐車場貸ししかできないケースもあると思います。
長期的な活用方法が定まるまでは、一時利用の活用というのも選択肢のひとつです。



3.まとめ

いかがでしょうか。
土地活用の様々な種類や、メリット・デメリットが把握できましたか。
一概にこれが正解というものはなく、どのような思いをもって土地を活用していくかを専門家とさまざま検討しながら、活用方法を見つけていただければと思います。

弊社は税理士法人傘下の不動産コンサルティング会社であり、創業以来、税理士または弁護士と協力し合いながら土地活用提案に携わってまいりました。
どの活用方法が適しているか、立地特性の分析や各活用方法の掘り下げ、収益の分析など、二人三脚で資産運用、資産活用を構築できれば幸いです。
建築会社や、コインパーキング業者等、自社商品を中心とした提案を受けるかと思いますが、弊社では多角的な活用法をご提案し、オーナー様と「思い」を共有してまいります。

 

あなたのお力になれるようサポートいたします。
ご相談お待ちしております。