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建ぺい率、容積率とは?考え方、計算方法、制限の調べ方などを分かりやすく解説します!

注文住宅を建てる時、必ず確認する項目に「建ぺい率(建蔽率)」と「容積率」があります。

よく、土地などの販売チラシに「建ぺい率50%、容積率100%」などと記載されていますよね。

建ぺい率や容積率を知らずに土地を購入すると、「イメージしていた家が建てられなかった」などの問題につながる可能性もあります。

今回のコラムでは、建ぺい率と容積率を分かりやすく解説します。

知識として持っておくと、土地を最大限に有効利用した家づくりに役立つほか、違反建築などのトラブルを避けることに繋がります。


1.建ぺい率と容積率とは

建ぺい率や容積率は、建物の大きさを制限するものです。都市計画法や建築基準法で地域ごとに上限などが定められています。
市街化区域や都市計画区域内だけでなく、市街化調整区域、都市計画区域外であっても行政による決まりがあります。
では、建ぺい率・容積率とはどんなものなのでしょうか。

 

(1)建ぺい率とは

建ぺい率とは、敷地面積に対する建築面積の割合です。
計算式と図にすると、次のようになります。

建ぺい率=建築面積÷敷地面積×100%

下図の建ぺい率は、60㎡÷100㎡×100%=60%となります。

 


(2)容積率とは

容積率とは、延べ床面積の敷地面積に対する割合のことです。延べ床面積は建物各階の床面積の合計を指します。
計算式と図にすると、次のようになります。

容積率=延べ床面積÷敷地面積×100%

下図の容積率は、(40㎡+60㎡)÷100㎡×100%=100%となります。

容積率はその土地によって異なり、2種類あります。

①指定容積率・・・「用途地域」に応じて定められる容積率の最高限度
②基準容積率・・・前面道路幅員(道の幅)が12m未満の場合の容積率

①の指定容積率は都市計画の用途地域によって定められている容積率です。
一方、②の基準容積率は建築基準法による各種規定によって算出された容積率のことをいいます。
基準容積率を求めるためには、用途地域によって定められた係数を前面道路の幅員(m)に乗じます。
係数は、一般的に住居系の用途地域は0.4、その他の地域が0.6です。
(行政の指定により例外もあります。)

①、②を比較して、厳しいほうの制限を受けることになります。

2.建ぺい率・容積率の上限

(1)上限の調べ方

建ぺい率と容積率には、建築基準関連法による制限が設けられています。
制限がなければ、防災や通風、景観に考慮していない建物が建てられてしまうからです。
建ぺい率や容積率の制限は、行政が都市計画で定めている「用途地域」によっておおむね決定されています。
調べたい住所の用途地域や建ぺい率・容積率は、市役所のホームページや都市計画に関する部署の窓口などで確認することができます。

ちなみに、敷地が2つの用途地域に被っている土地の場合は、それぞれの用途地域の敷地に対する面積の割合を按分して計算します。

(2)オーバーするとどうなるのか

建ぺい率や容積率の制限をオーバーした建物を建てると、どうなるのでしょうか。

まず、建物を建てるためには、行政(市役所や区役所など)に建築確認申請をおこないます。計画段階で建ぺい率や容積率が上限をオーバーすることが明確な場合、建築確認がおりません。計画の是正を求められることになります。

計画では上限に達していないが、実際に建てたら建ぺい率や容積率がオーバーしていた、という場合はどうでしょうか。
建ぺい率や容積率の上限が守られていない建物は、「違法建築(違反建築物)」ということになります。

「違法建築」に該当してしまうと、売却する時などに大きなペナルティが生じます。
例えば、

・行政による是正措置に従わなければならない
・建て替えの際に以前と同じ規模の建物を建てることができない
・「違法建築」であることを不動産広告や契約書類に明記しなければならない
・住宅ローンが通りづらくなる

などです。

新築時は建ぺい率や容積率が上限に達していなかったのに、法改正などで建ぺい率または容積率オーバーとなってしまう建物もあります。いわゆる「既存不適格物件」です。
「既存不適格物件」は違法建築ではありません。しかし、増築はできず建て替え時には、現在の建ぺい率や容積率に従う必要がありますので、ご注意ください。

3.建ぺい率・容積率が緩和される場合

(1)建ぺい率が緩和される場合

建ぺい率は、一定の要件を満たしている場合に緩和(上乗せ)される場合があります。


■防火地域・準防火地域

①防火地域内で耐火建築物等を建てる場合
②準防火地域で準耐火建築物当を建てる場合

①もしくは②に該当する場合、建ぺい率が10%緩和されます。
つまり、仮に建ぺい率60%だった場合は70%に引き上げられるということです。

また、①で指定建ぺい率が80%の地域に該当し、敷地内のすべての建物が「耐火建築物」である場合には建ぺい率の制限がなくなります。
ちなみに、②は2019年6月に施行された「建築基準法の一部を改正する法律」によるもので、比較的あたらしい決まりです。
この法改正の背景には、2016年に発生した新潟・糸魚川大規模火災の甚大な被害があります。この火災が発生したのは準防火地域のため、建ぺい率を緩和することで燃え広がりにくい建築物への建て替えを促進する目的が含まれています。

■角地、2つの道路に挟まれた敷地

敷地が一定の条件を満たす角地である場合も、建ぺい率が10%緩和されます。(角地緩和と呼びます。)
角地緩和は建築基準法第53条で定められており、「街区の角にある敷地又はこれに準ずる敷地で特定行政庁(※)が指定するもの」を角地として扱います。

※特定行政庁とは、ざっくりいうと市や区のことです。建築主事(建築確認申請などを行っている機関)を置く地方公共団体やその長が特定行政庁です。

つまり、特定行政庁によってどのような敷地が角地として認められるかが異なります。
角地緩和が認められるかどうかは、必ず市役所や区役所等の窓口などで確認することが大切です。

角地緩和が認められる例として、東京都板橋区の要件を下の図でご紹介します。

■角地として認められる要件(参考:東京都板橋区)
A+B≧(A+B+C+D)/3
角a<120°

また、土地の両側が道路に挟まれている敷地(2方道路)も建ぺい率が10%緩和されます。
実際に道路に1方向しか接していなくても、公園や広場、河川に隣接する敷地も建ぺい率が10%緩和される場合があります。
(特定行政庁により基準が異なりますので、必ず緩和されるということではありません。)

(2)容積率が緩和される場合

容積率は、一定の要件を満たしている場合に緩和(上乗せ)される場合があります。


■特定道路(幅員15m以上の道路)の場合

特定道路から70m以内の範囲にあり、前面道路の幅員が6m以上12m未満の敷地は容積率を緩和する特例があります。
特定道路からの距離に応じて、緩和割合は変わってきます。この特例は、広い道路に接する土地の後背地などで、急激に容積率が減ってしまったために地域内で建物の大きさにバラつきが出るのを防ぐ目的があります。

緩和された容積率を求める式は、下記です。

(前面道路+加算値)×低減係数(住居系の用途地域では0.4、そのほかは0.6)
 ※都心の一部地域などでは、低減係数が0.8となる場合もあります。
 ※加算値=(12m-前面道路幅員)×70m-特定道路までの距離÷70


■地下室がある場合

建物の地階にあり住宅として使用する部分の床面積については、建物の延床面積1/3を限度として容積率対象の延床面積に含めません。これを、「地階部分の不算入」と呼びます。

地下室と認められるには、一定の条件を満たすことが必要です。

・住宅の用途であること
・室内空間の高さの3分の1以上が地下にあること
・地下室の天井が1mを超えて地上に出ていないこと など

地下室の面積が建物の1/3を超える場合は、超えた部分が延床面積に算入されます。
また、戸建だけでなく共同住宅も対象になります。
マンションの機械室やトランクルーム、倉庫としての使用であっても認められます。
なお、地下室は土地の性質上建築ができない場合や、コストが高くなる場合がありますのでご注意ください。


■駐車場がある場合

屋根付き駐車場やビルトインガレージ(※)の面積は、その敷地内の建物の延床面積1/5を限度として、容積率の対象となる延床面積に含めません。
地下室の場合と同様、1/5を超えた部分は延床面積に算入されます。

※ビルトインガレージ・・・建物の1階部分を利用した駐車スペースのこと。

屋根付き駐車場は敷地内にあれば、容積率不算入の対象になります。
また、地下室と駐車場の容積率緩和は併用することができます。
両方の緩和を上手に利用することで、土地を有効活用することが可能です。
失敗せず、土地を有効利用した家づくりをお考えの方は、信頼できる不動産のプロへご相談されることをおすすめします。

 


■ロフト、グルニエ(小屋裏収納)がある場合

ロフト(天井高を高くして部屋の一部を二層式にしたスペースのこと)やグルニエ(屋根裏を利用した物置などのこと)も、すぐ下の階の床面積の1/2までの面積は建物の延床面積に算入されません。

ロフトやグルニエは、建築基準法上は「小屋裏収納」にあたります。
小屋裏収納と認められるための条件は細かく設定されている場合が多く、行政によって異なります。
建物に小屋裏収納の設置を検討している時も、行政の担当部署(建築指導課など)に確認しましょう。

条件の一例としては、下記があります。

・天井高が1.4m以下
・用途が収納であること
・小屋裏収納を設ける建物の用途は住宅であること
・小屋裏収納への階段は固定式ではないこと など


(3)その他容積率に含まれない建物部分

他にも、容積率の延床面積に不算入となる建物部分があります。
例えば、

・バルコニー、ベランダ(出幅が2m以下のもの、庇が無いもの等)
・防災用備蓄倉庫
・蓄電池、自家発電設備、貯水槽などの設置部分
・吹き抜け
・共同住宅の共用部分(共用廊下など)
・エレベーターの昇降路 など

ただし、上記のものでも全てが延床面積に不算入になるわけではありません。
面積の限度など、一定の条件が定められていますのでご注意ください。

建物の一部分が容積率に不算入になるための要件は、必ず建築や不動産のプロに確認しましょう。
建物を建築する土地によって制限や条例が異なりますので、信頼できるプロであれば必ず行政に確認してから回答するはずです。

4.まとめ

建ぺい率と容積率について、知っていただけましたでしょうか。
同じ広さの土地でも、建ぺい率と容積率によって建てられる建物の大きさや高さが異なります。
大きければ良い家、というわけでもありません。
閑静な住宅街の地域では、建ぺい率や容積率を低く指定して景観や街並みの調和を保っているため、通風の良さやゆとりのある暮らしを味わうことができます。

「どんな土地でどんな家を建てるか」ということは人生にかかわる大きな決断です。
もし、ご判断に迷うときはいつでも不動産のプロである私たちにご相談いただければと思います。
それぞれのご事情を考慮し、精一杯サポートいたします。